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だからやめられない
20代後半で統合失調症を発症したAさんは、84歳になる母と暮らしながら治療を続けていましたが、50歳を過ぎた今年2月に、食事摂取困難と嘔吐が見られ、精査の結果、胃の噴門部に腫瘍が見つかります。
一度は開腹手術を試みましたが、動脈が隣接しているとの理由で手術は中止され、現在は定期的な抗がん剤の投与で経過しています。
噴門部は、鉛筆ほどの狭さになっているため経口からの食事は、すべてミキサー食とし、腫瘍部に負担のないよう配慮されていますが、まだお若いAさんがお粥中心の食事ではストレスが溜まってしまいます。

先日Aさんの母に訪問していた時です。(両下肢の変形性膝関節症がありリハビリを導入するため)

夕食準備のため生活支援のヘルパーが訪れると
Aさんは満面の笑顔で「物(ブツ)が来た、物(ブツ)が来た」と小躍りをし財布を取りに来ました。
お母様と私が「物(ブツ)って何ですか?」と尋ねてもニコニコ笑っているでけなのでヘルパーの居る台所に入るととても美味しそうな匂いが広がっています。

若いヘルパーさんがミキサーをかけていた物、それは「つゆだくの(おつゆが多めにかかっている)牛丼」だったのです。
一度ミキサーにかけた牛丼を更にこし器を使い、丁寧に丁寧にトロトロにしているヘルパーさんの姿に私は思わず感激し
「牛丼がこんなに‘絹’のようになるなんて。この牛丼は凄い栄養になりますね」と拍手を送りました。
入院生活では見られない、患者さん自身が主役を演じ、私たち医療と福祉の従事者が端役、若しくはエキストラを演じ心に残る情景を作り出して行く、そんな在宅医療に専念出来る私は本当に幸せです。
日々小さな出来事や、挫折にぶつかり自分を見失いそうになることもありますがAさんのような素敵な患者さんや優しい仲間に出会った時
「やっぱり私、この道をやめられない!」と胸がいっぱいになります。

今度は、Aさんにどんな美味しいものが提供できるかなと頭の中に沢山の食べ物が浮かんで来ます。

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[ 2011/05/25 14:04 ]

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